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RARA Newsletter vol.11(転載) 「RARAコモンズ」開催。多様な連携と研究者のキャリアを徹底議論

2024 / 12 / 25

2024 / 12 / 25

RARA Newsletter vol.11

「RARAコモンズ」開催。多様な連携と研究者のキャリアを徹底議論

 

(2024年12月に登録者にメールでお届けしたNewsletterを転載したものです。Newsletterへの配信登録はこちらから

 

本年も余日が少なくなってまいりました。行く年を惜しみながら新しい年に希望を馳せるこの頃。みなさま、お健やかにお過ごしでしょうか。

立命館先進研究アカデミー(RARA)より、Newsletter vol.11をお届けいたします。

 

 

教育活動と研究活動を結ぶ「Nodes」として、「RARAコモンズ」を開催

 

今回のNewsletterでは、11月20日(水)にびわこ・くさつキャンパスのエポック立命21・エポックホールで開催した「RARAコモンズ」の模様をお届けいたします。

 

RARAコモンズは、RARAフェローやRARAアソシエイトフェローが教育活動と研究活動を結ぶ「Nodes(結合点)」として、研究の魅力を広く発信する場です。

 

今回のテーマは「新たな価値創出をめざす理工系研究者の連携とキャリアパス」です。当日は学部生や大学院生を含む110名が参加し、分野を越えた連携の重要性や、キャリア形成のヒント満載の場となりました。

 

 

(以下、当日の模様をライターが構成しました)

 

 

「新たな価値創出がこれからの研究者に求められている」大窪健之研究部長

 

RARAコモンズは、理工学部教授の大窪健之研究部長による挨拶で開会しました。

 

大窪研究部長は、立命館大学が「次世代研究大学」の実現を目指して2021年に設置した「RARA(立命館先進研究アカデミー)」の概要について紹介しました。

 

「RARAでは大学の中核を担う研究者の『RARAフェロー』20名と、RARAフェローへのステップアップに向けて実績を積み重ねる『RARAアソシエイトフェロー』22名が連携し、テーラーメイド型の研究支援を受けながら研究拠点形成に取り組んでいます。また博士後期課程の学生を『RARA学生フェロー』として選抜し、研究費や生活費相当額の研究活動支援金などを提供するプログラムも展開しています」


大窪研究部長は今後の研究者の役割として、「急速に進む技術革新や社会変化に対応するだけでなく、新たな価値を創出することが求められています」と話し、「異分野の研究者や産業界、海外研究機関との連携が一層重要で、本日は新たな視点やネットワークを築くきっかけとして実り多き機会になることを願っています」と挨拶を締めくくりました。

 

 

 

「『多軸性』と挑戦精神が未来を切り開く」野口義文副学長

 

続いて、野口義文副学長が「RARA 多様なキャリアパスの先導役 ─昨今の情勢から─」と題して基調講演を行いました。野口副学長は「現代の社会課題を解決するためには、多分野にまたがる連携が不可欠であり、個別の研究が孤立する時代は終わりました。研究者として、単一の専門性にとどまるのではなく、複数の軸を持つことがこれからの鍵となります」と「多軸」を持つことの重要性について語りました。

 

「多軸とは、単に異なる分野を掛け合わせるだけではありません。それぞれの軸が有機的に結びつき、新しい価値を生み出すことを意味します。多軸を持つことで、研究者自身が専門性を超えた価値を提供でき、アカデミアだけでなく社会における存在感が増します」と野口副学長。

 

学生へのメッセージとして、「一つの専門に固執するのではなく、少しでも興味を持った分野やテーマに挑戦し、新たな軸として育ててください。それが未来の研究に大きな広がりをもたらします」と話し、「『迷ったら一歩踏み出す』ことが、未来の研究者としての最初の挑戦です。研究とは、失敗を恐れず、新しい道を切り拓く行為そのものです」とエールを送りました。

 

また、博士課程進学の意義として、「博士課程は単なる学問の探求に留まらず、人材育成の重要なステップであり、未来社会の変革を担うリーダーを生み出します」と語り、学術的な知識とスキルを持つ博士号取得者が、アカデミアのみならず、産業界なども含めた社会全体で重要な役割を果たす時代の到来を指摘。多様性と挑戦の精神が未来を切り開く鍵であると述べ、博士課程進学やこれからのキャリア形成に向けたアクションを提案しました。

 

 

 

 

第1セッション:周囲を巻き込むRKN(Ritsumeikan Knowledge Nodes)形成連携

 

第1セッションでは、「周囲を巻き込むRKN(Ritsumeikan Knowledge Nodes)形成連携」をテーマに、RARAフェローの小西聡・理工学部教授、三原久明・生命科学部教授、山末英嗣・理工学部教授が登壇し、それぞれの研究分野での経験や、異分野連携におけるアプローチについて話しました。

 

 

「自分の心が本当にやりたいと感じたことをやろう」小西聡フェロー

 

小西教授は自身の研究テーマについて「生身の我々とデジタル空間を繋ぐことをテーマにしています。具体的にはセンサやマイクロマシンを通じて世界と繋がるというものです」と紹介。
自身が率いる研究チームでは、独自の触覚センサを搭載した数mmほどのマイクロフィンガーを操作してダンゴムシに触れ、反応したダンゴムシの脚力と胴体の力を計測することに世界で始めて成功したことを2022年に発表し、話題になりました。この技術は、かねてより提唱してきた「触れる顕微鏡」という新たな概念の具体的な提示となり、医療分野などでもその活用が期待されています。

 

小西フェローは研究テーマ選びについて「やりたいことをしましょう。そうしたらついてくるものがあります」と訴えました。
「私が立命館大学で研究を始めたのは、ちょうど立命館が琵琶湖畔にBKCキャンパスを建てた頃で、当時『これは面白そうだ』と思い、博士号取得したての20代の自分の心が本当にやりたいと感じたことをやろうと飛び込みました。それから28年間、マイクロロボットや細胞ーグ(細胞で作るサイボーグ)の研究を続けてきました。その中で生み出したマイクロフィンガー技術は現在京都大学病院と共同で触診ロボットの開発に活用するなど、医療や薬学分野への応用や連携も行っています」

 

さらに細胞ーグの方では、培養細胞とセンサ・マイクロマシンを組み合わせた人工生体システムを構築し、デジタル空間とリアルな空間をつなぐことも目指しています。「これにより、細胞の動きや刺激を制御し、ネットワーク化することが可能になるかもしれません」と小西フェロー。

 

触れる顕微鏡によるユニークな拡張現実(AR)の世界への広がりや、体内から体外への広がり、また学内外、学際的・国際的にも連携を広げている経験を踏まえ、異分野連携のポイントについてこのように語りました。

 

「異分野連携は人生を何倍にも豊かにするものです。異なる分野の人々と連携するためには、自分の専門性を軸に持ちながら、相手を尊重する姿勢が大切です。相手と一緒に新しい価値を創り上げるというビジョンを共有することで、初めて連携が可能になります」

 

 

「未知の領域が広がる微生物の世界。多分野連携で持続可能な未来を」三原久明フェロー

 

 

三原フェローは「微生物が開く新たな世界」というテーマで、研究のきっかけについてこのように語りました。

 

「研究室に入った大学生の時、60度や70度という高温環境で生息する微生物に初めて出会い、驚くべき生命力に魅了され、微生物研究を始めるきっかけとなりました。しかし実は当初、微生物学を第1志望にしていなかったんです。植物の遺伝学に興味があったのですが、希望者が多かったため、じゃんけんで負けて微生物学の道に進むことになりました。でも、その選択が今の私をつくったのです」

 

三原フェローは、微生物の多様性と機能、その影響について次のように述べています。

 

「微生物は地球上で最も多様であり、全ての生き物が微生物と共生しています。たとえば私たちの体には約2.5kgもの微生物が常に存在しています。この微生物が地球環境に大きな影響を与えていることをご存じでしょうか? 温室効果ガスである二酸化炭素やメタンの生成、さらには気候冷却ガスの生成にも深く関わっているのです」

 

一方で、微生物についてはまだまだ未解明の領域が大きいと言います。「現在知られている微生物の種類は全体のわずか0.02%に過ぎません。残りの99.98%は未解明のままです。未知の領域を解明することは、人類の持続可能性を探る上で重要だと考えています」。

 

微生物研究が地球環境の保全や気候変動への対応に役立つ可能性について、具体的な事例を挙げました。「たとえば、海洋に鉄を散布すると微生物が活発化し、珪藻類の増殖を促進します。その結果、二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定し、海底へと沈降させることができます。このように微生物を活用することで、環境問題に対する新たな解決策が見えてくるのです」

 

可能性が広がる微生物研究について、分野横断的な取り組みの重要性についても強調しました。「私たち微生物学者だけでは限界があります。他分野の研究者と連携し、農業、気候学、国際法学など多岐にわたる分野の知識を組み合わせることで、持続可能な未来を構築できるのではないでしょうか」と三原フェロー。

 

 

「複雑な課題に、『超学際研究』で新たな知見を」山末英嗣フェロー

 

 

産業エコロジー学を専門にする山末フェローは、自身の研究歴を振り返りながら、学際的なアプローチに至った経緯を説明しました。

 

「環境材料や製鉄技術に取り組んでいましたが、あるとき『本当に環境に優しい材料とは何か』について考えるようになりました。10倍高強度な材料を作ろうとしても、それを作るのに100倍のエネルギーがかかっては意味がないかもしれない。環境影響評価をしながら、廃棄するまでのライフスタイルを全部考えよと。その時から材料開発にとどまらず、材料のライフサイクル全体を考える視点を持つようになりました」。


そこから環境教育や行動科学にも関心を広げていったという山末フェロー。「すぐれた技術や材料を開発しても、使う側の意識やリテラシーが伴わなければ意味がないと気づいたのです」。

 

特に「資源パラドクス問題」について詳しく述べました。「脱炭素や脱物質という目標は重要ですが、それを実現するために資源を過剰に消費してしまう矛盾が存在します。たとえば、二酸化炭素の排出削減に貢献する次世代自動車ですが、製造自体には莫大な資源が必要になります。脱炭素のためにはどれだけ資源を使ってもよいという世界観は正しいのでしょうか」と山末フェロー。

 

こういった複雑な問題を解決するためには、多角的な視点が必要であると強調しました。「一つの視点だけでは複雑な問題は解決できません。科学技術だけでなく、社会経済システムや人々の行動変容を含めた総合的なアプローチが求められます」。

 

そのうえで山末フェローは、学際研究が果たす役割について次のように語りました。「単に複数の分野を横断するだけではなく、それぞれの分野が密接に連携して新しい知見を生み出すことを目指すことが重要です。『超学際研究』と呼んでいます」。

 

若手研究者へのメッセージとして、このようにアドバイスしました。「研究には常に制約が伴いますが、その制約をどう捉えるかで成果が大きく変わります。私は制約を『飛躍の起爆剤』だと考えています。工夫次第で新たな可能性が広がるのです」。

 

 

 

セッションの終盤は3名の教授が質疑応答に答える形で、連携の魅力や課題、ポイントについて次のように語りました。

「連携は、自分1人ではできないことを可能にする素晴らしい方法です。その一方で、連携を成功させるには、相手を尊重し、お互いにとって価値あるものを創り上げる姿勢が必要です」(小西フェロー)

「連携は目的ではなく、目標を達成するための手段です。お互いが気持ちよく協力できる環境を作ることが重要だと考えています」(三原フェロー)

「連携の魅力は、自分の知的好奇心を満たし、新しい発見を共有できることです。成功させるためには、対等な立場で協力することが欠かせません」(山末フェロー)

 

 

 

第2セッション:キャリアパスにおけるRARA

 

第2セッションでは、「キャリアパスにおけるRARA」をテーマに、RARAフェローの峯元高志・理工学部教授と岡田志麻・理工学部教授、RARAアソシエイトフェローの惣田訓・理工学部教授が登壇し、自身のキャリア形成や研究への取り組みについてそれぞれの経験や視点をもとに語りました。

 

 

「仲間と協力し、志を共有しよう」ペロブスカイト太陽電池に取り組む峯元高志フェロー

 

 

第2セッションで最初に登壇した峯元フェローは、自己紹介を兼ねて、これまでの研究やキャリアの転換点について話しました。

 

「私は現在、ペロブスカイト太陽電池という新しい技術の研究に取り組んでいます。この技術は、従来の太陽電池とは異なり、軽量で柔軟性があるため、例えばビルの壁や工場の屋根、さらには車やプールの表面にまで設置できる可能性を秘めています。私が目指しているのは、この技術を活用して、太陽光発電の新しい市場を切り拓くことです」

 

峯元フェローの研究は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトであるグリーンイノベーション基金にも採択されています。積水化学との連携では、印刷技術を使って曲げられる太陽電池を開発し、薄膜型の太陽電池を多様な用途に展開できるよう取り組んでいます。

 

ペロブスカイト太陽電池に取り組むきっかけについて、「これまでの太陽光発電の主流である結晶シリコン電池は性能は優れているものの、非常に重く、取り付ける場所が限られていました。この課題を解決するために、軽くて扱いやすい新技術を探し求める中で、ペロブスカイトに注目しました」と峯元フェロー。屋外の過酷な環境での耐久性を高め、長期的な性能を維持するため、評価・改良を重ねていると話しました。

 

「私の研究は、異業種との連携が不可欠です」と語る峯元フェロー。「例えば、建築会社や自動車メーカーの方々と協力し、彼らの視点から太陽電池の設計や導入の課題を学びながら、新たな可能性を探っています。研究者として自分の分野に閉じこもらず、幅広い視野を持つことが大切です」。

 

峯元フェローはまた、キャリア形成の過程で得た教訓やエッセンスを次のように語りました。

 

「私が感じた重要な教訓の一つは、『基礎を大切にすること』です。学生時代、恩師から繰り返し『基礎をしっかり固めること』の重要性を教わりました。どのような挑戦をするときにも必ず役に立つ教えだと思います。もう一つ大切にしているのは、『自分のキャパシティを知ること』です。恩師から『思ったほど自分一人では多くのことをこなせない』と言われたことがあり、それを意識することで、根気よく学び、結果を出せるようになると思います」

 

現在の研究活動において、異業種・異分野との連携を進める峯元フェロー。「異なる専門分野の知識や視点を取り入れることで、新しい発想や解決策が生まれることを実感しています。『仲間と協力し、志を共有すること』が、成果を生み出すための最も大切な要素。仲間を見つけ、共に成長し、成果を出していきましょう。研究は一人ではできません。多くの方々の力を借りてこそ、新しい価値を生み出すことができるのです」と訴えました。

 

 

「心の中の『燃やしたいもの』を信じて、突き進んでほしい」岡田志麻フェロー

 

 

続いて登壇した岡田フェローは、自身の多彩なキャリアパスを振り返りながら、研究への熱意を語りました。

 

立命館大学で修士課程まで進んだ岡田フェロー。「しかし、博士課程に進むことを考えた際、家族からの反対もあり、一度は企業へ就職しました。その後、どうしても研究の道を諦めきれず、保健学を専攻して大阪大学で学位を取得し、その後理工学部ロボティクス学科に戻ってきたのです」。

 

岡田フェローは、研究の原点にある自身の幼少期の経験についても触れました。

 

「『人とロボットがどうすれば心の面でも協調できるのか』というテーマで研究しています。幼少期から私は分厚いメガネをかけるほど目が悪く、今もコンタクトを外したらほとんど見えないんです。視えない現実世界を想像で補うことが必要でした。そんな中で出会った唯一の友達がロボットのおもちゃでしたが、そのロボットが本当の友達にはなってくれなかったという経験が、私の原点なんです。『どうすればロボットが人の心を動かし、孤独を癒すロボットを作れるのか』という研究テーマを生むきっかけとなりました」。

 

人間関係を数値化してモデル化し、孤独な状態を検出する技術を研究。「ロボットが直接的に人に働きかけるだけでなく、周囲に影響を与えることで、孤立を解消する手助けをしたいと考えています」。

 

キャリアを振り返り、様々な壁や困難があったと語る岡田フェロー。「特に博士課程に進む際、家族や経済的な問題、社会的なプレッシャーといった壁に直面しました。自分自身の内なる疑問や解決したい課題を見つめ直すことで、進むべき道を選びました」。

 

岡田フェローは、指導者・研究者としての姿勢についても言及しました。「『教育とは、火をつけて燃やすこと』という恩師の言葉があります。私の教育・研究活動の原点でもあり、私自身が学生たちの内なる可能性に火をつけられる存在でありたいと思っています。また、多様性やジェンダーの壁を壊し、後進が自由に研究できる環境を作ることも私の使命だと感じています。次世代がより良い環境で研究できるように、壁を少しずつでも取り除いていきたいです」。

学生へのメッセージとして、次のように語りました。

 

「自分自身の疑問や解決したい課題に正直になることです。そして、どんなに困難な状況でも、自分の心の中にある『燃やしたいもの』を見つけ、それを信じて進んでほしい。これからの時代、研究者は自分の専門分野にとどまらず、多様な壁を越えていく力が求められます。そのためにも、自分の能力を安売りせず、堂々と自分の価値を示してほしいと思います」

 

 

「遠回りをした経験が必ず何かにつながる。国際的な視野を」惣田訓アソシエイトフェロー

 

 

最後に登壇した惣田アソシエイトフェローは、「アジア地域の水環境保全技術」をテーマに、自身のキャリアを振り返りながら研究の意義を語りました。

 

アジア地域における水環境問題に取り組む惣田アソシエイトフェロー。「ベトナムで養豚排水の処理、インドで製薬工場からの排水中の微量化学物質の除去、インドネシアでろうけつ染め産業からの排水処理、中国で都市下水からの窒素除去など、地域ごとの課題に応じた技術開発を行っています」と各地で取り組む研究について紹介しました。

 

惣田アソシエイトフェローは、自身のキャリアの転機についても率直に語りました。

 

「私は英語が苦手で、それが大学進学や研究活動の中で大きなハードルとなっていました。地元の三浦・横須賀地域で自然と接して育ち、水環境に興味を持ちましたが、大学進学に失敗し浪人。その後、勉強を重ね大阪大学に入学し、環境工学を学び始めました。大学院に進学当初は英語でのコミュニケーションがうまくいかず、苦労の連続。博士課程では恩師の勧めで、スイスやドイツの研究機関での短期留学を経験し、英語が必須の環境で多くの挫折を経験しましたが、これらの機会が自分の成長に大きく寄与しました」

 

その後、国内でポスドクの経験を経て、大阪大学の新設研究科で助手としてのキャリアをスタート。「研究が思うように進まず、非常に苦しい時期でもありました。それでも、恩師や周囲のサポートを受けながら、少しずつ業績を積み上げることができました」と振り返ります。

 

自身の経験から、人材育成の重要性を強く感じていると語る惣田アソシエイトフェロー。「学生には、研究だけでなく国際的な視野を持ち、さまざまな挑戦に対応できる力を身につけてもらいたい」と、若手研究者や学生に向けてエールを送りました。

 

「人生は遠回りをしても、その経験が必ず何かにつながります。新しいチャンスが来たときにそれを掴む準備をしておくことが大切です。研究を通じて築いたネットワークや得た知識を、次の世代に還元してほしいと思います」

 

 

 

質疑応答では、3名の教授陣が学生たちの質問に答え、研究者としてのキャリア形成において自ら学び挑戦し続ける姿勢の大切さを訴えました。

「育成されるのではなく、自分で学ぶ姿勢が大切です」(峯元フェロー)
「自分の能力を安く売らず、自信を持って取り組むことが重要です」(岡田フェロー)
「新しいチャンスに飛びつける準備を普段から心がけてください」(惣田アソシエイトフェロー)

その後RARA学生フェローおよびOBが集まり、博士課程進学の動機や研究内容、進学後の経験について共有し、博士課程進学の魅力や意義、RARAの金銭的・人脈形成・研究支援など多面的な支援の有用性などが語られました。

 

 

 

(2024年12月20日配信)

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