研究活動レポート / 中川 毅 / 北場 育子

中川毅フェローと北場育子アソシエイトフェローが、メソポタミアの「肥沃な三角地帯」の近傍において堆積物試料の採取を行いました

2023 / 10 / 30

2023 / 10 / 30

中川毅フェローと北場育子アソシエイトフェローが、農耕の起源を解明することを目的としたプロジェクトの一環で、メソポタミアの「肥沃な三角地帯」の近傍において堆積物試料の採取を行いました。

 

中川フェローは以前より、福井県・水月湖の堆積物の分析を通して、5万年前まで遡る年代測定の世界標準「ものさし」づくりや、過去7万年間の気候変動の復元などに取り組んできました。

 

従来の説では、農耕は気候の温暖化あるいは寒冷化をきっかけに始まったと考えられてきました。ところが、水月湖で復元された気候変動のデータと、メソポタミア文明の考古学的証拠を照らし合わせてみると、農耕が始まったのは、気候が不安定な状態から安定した状態にシフトした時期だったらしいことが分かってきました。今回は、農耕の起源地であるメソポタミアの近くで同様の調査を行い、農耕が始まった時代に、背後ではどのような気候変動が起こっていたのか、解明することを目指しています。

 


<現地の研究者の協力を得て、人力でボーリングをおこなう様子>

 


<試料を採取するための機械の部品を、調査地にほど近い鉄工所で作成する様子>

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