研究活動レポート / 和田 有史

PLOS ONEに、論文(”Subjective health awareness and sensory ability of taste and olfaction: A case study of a health promotion class for older people”)が受理されました

2022 / 10 / 03

2022 / 10 / 03

PLOS ONEに、論文”Subjective health awareness and sensory ability of taste and olfaction: A case study of a health promotion class for older people”が受理されました。 以下が論文の概要となります。

 

—- 健康寿命の延伸には、高齢者の食生活の質が重要である。他の感覚と同様に、味覚・嗅覚も加齢に伴い変化する。しかし、他者と顕在的に比較できる感覚とは対照的に、味覚・嗅覚は加齢に伴う変化を捉えることが困難である。本研究では、健康な高齢者の味覚と嗅覚の特徴を調べ、若年者と比較した。味覚評価では、診断用アッセイキットを用いて、全口腔法により閾値を測定した。嗅覚評価では、カード型嗅覚識別テストキットを用いて、総合的な識別能力を測定した。さらに、参加者の主観的な健康意識を視覚的アナログ尺度を用いて測定した。味覚・嗅覚評価の結果、高齢者群は若年者群に比べ総合的な感覚感度が低く、高齢者群では味覚・嗅覚感度に相関がなかったが、若年者群ではその傾向がみられた。さらに、主観的な健康意識についても両群間に有意差はなく、本研究の参加者は年齢に関係なく自分を健康だと考えていることが示された。このことから、当該の高齢者大学校に参加する高齢者の主観的な健康意識は、感覚能力とは独立性があることが示唆された。

 

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