林 勇吾

RARAアソシエイトフェロー

「認知的コラボレーションと支援」に関する学術融合研究:
心理学と情報科学の融合

「認知的コラボレーションと支援」に関する学術融合研究:
心理学と情報科学の融合

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FELLOW PROFILE

2009年名古屋大学大学院情報科学研究科修了。博士(情報科学)。

立命館大学情報理工学部助手、筑波大学図書館情報メディア系特任助教、立命館大学文学部および総合心理学部准教授を経て、2021年より総合心理学部教授(現職)。
2017~2018年、カーネギーメロン大学(アメリカ) Human-Computer Interaction Instituteにおいて客員教員(Visiting Faculty)。

心理学と情報学を融合して、協調的学習を支援する方法を開発する

人と人、人と人工物、人工物を介した人とのコラボレーションにおける人の認知行動メカニズムを解明し、その知見をもとに工学的支援を行うことを目指します。

その研究手法として、①認知行動メカニズムを心理学実験により解明し、②認知科学の手法により計算機上で認知モデルを作り、③協同活動を支援する情報システムの開発を循環的に検討しています。これまでに、会話エージェントを用いた協同問題解決の実験や学習支援システムの開発などを行ってきました。

 

学部生の時に社会学や社会心理学を学び、大学院では認知科学や人工知能を学び心理学と情報学の文理融合に関する研究を行ってきました。幼少期や高校をアメリカのカリフォルニアで過ごした経験もあり、異文化や異分野の融合というものに長く関心がありました。また、科学の世界でもブレイクスルーやパラダイム構築には、異なる視点による洞察は重要ですし,博士の学位論文から多様性や融合を大きなテーマとして取り組んできました。

 

RARAでの研究活動には、学内外の若手研究者・大学院生を巻き込んで研究を進めていきたいと思います。心理学系だけでなく、情報工学などの分野でRARA学生フェローや、リサーチアシスタントとも積極的に研究を進めていきたいです。特に、私の研究室で開発している人-人のコラボレーションに関する認知科学的研究や、AIエージェントを用いた協調的学習支援に関する研究を一緒に取り組んでいきたいと考えています。また、大学生や附属校の学生や児童などを対象とした調査や国際比較研究にも展開していきたいと考えています。

この目標を実現するまでのロードマップとして、初年度は,現状のシステムのアップデートや新規のシステム開発を研究員やスタッフとともに進めていく予定です。そして、RARA学生フェローやリサーチアシスタントと協働して、大学生を対象としたデータの収集・解析を通じて研究基盤を構築していきます。その後、大学生以外の幅広い年齢層を対象としたデータの収集、さらに国際的な研究交流も行いながらグローバルに研究を展開したいと思います。

 

立命館大学には,国際性の強い学部もあり全国的にリードしている分野もあります。次世代の研究大学に向けては、やはり海外に向けた研究力の発信と海外の大学との連携も加速していく必要があります。本大学には,日本最大級の心理学部や最先端のAIやヒューマンインタフェースの研究をしている自然科学系の研究者が多くいます。これらの研究者が協働することで大学だけでなく、社会にも大きく寄与できると思います。

 

―― パートナーシップについて
私は2010年から2013年まで情報理工学部で助手をしていました。本研究を推進するにあたっては,今いる総合心理学部だけでなく,情報理工学部や理工学部をはじめとした、学部を超えた研究者とのパートナーシップを結んで研究を進めていきたいです。

また、学内の外国人教員との共同研究も助手時代から行っており,現在もグローバル教養学部の研究者と研究をしています。

 

―― 研究連携で大切にしていること
国内外の研究者との協働で,良いシナジーを生み出すには、まずは研究テーマに関する一定の共通理解を構築することは必要だと思います。そして、研究者の強みが十分に発揮できるよう、お互いのことを十分に知り、信頼関係を築くプロセスを大事にしたいです。お互いの役割を明瞭にして、コミュニケーションを図りながら,インパクトのあるジャーナルやトップカンファレンスを目指して取り組みたいです。

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