藤田聡
RARAアソシエイトフェロー
新規の栄養・運動介入をつうじたサルコペニア予防策の開発
SCROLL
1993年ファイファー大学(アメリカ)スポーツ医学・マネジメント学部卒業、2002年南カリフォルニア大学(アメリカ)大学院博士課程修了。博士(運動生理学)。
2006年テキサス大学医学部内科講師、2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教を経て、2009年に立命館大学に着任。2012年より立命館大学スポーツ健康科学部教授(現職)。
2021年、株式会社OnMotionを設立。
加齢による筋量・筋機能の低下現象の原因を解き明かし、改善・予防策を開発する
加齢に伴う筋量と筋機能の低下現象(サルコペニア)は、転倒リスクを増加させるだけでなく、糖質・脂質代謝の障害を引き起こし、生活習慣病のリスクが増加します。しかし、サルコペニアを引き起こす原因は未だはっきりと分かっていません。国際的な共同研究の強化と異分野融合をつうじて、基礎研究の観点と、疫学研究・介入研究からサルコペニア発症の機序解明とその改善・予防方法の開発に取り組みます。
骨格筋は日常生活の動作を司るだけでなく、体内の代謝を調節する重要な臓器です。加齢に伴う筋量と筋機能の低下現象(サルコペニア)はその原因として運動習慣や食生活などの生活習慣の関与が指摘されています。しかし生活習慣は国ごとに大きく異なるため、それぞれの国における生活習慣の違いが骨格筋に及ぼす影響を調査することで、より根本的な原因を突き止めることが可能であると考え、今回のテーマを選択しました。
本研究をつうじて立命館大学が骨格筋のタンパク質代謝に関する研究の世界的な拠点、すなわち「知のNode」となることで、世界で活躍する研究者が本学に集まり共創する場を構築したいと考えています。将来的には海外の大学院生や研究者との交流をつうじて、本学の院生・研究員が多様な価値観や文化、習慣を尊重しながら国際的な研究力の向上に取り組める研究・教育環境を整備したいと思います。
フィンランドのユバスキュラ大学とは、ユバスキュラ大学が保有するコホートデータを用いて、中高年女性のデータから、サルコペニアを引き起こす食生活・運動習慣の要因を抽出し、日本国内での臨床試験にてその要因を検証します。英国ノッティンガム大学とは基礎研究の観点から、骨格筋たんぱく質の代謝を評価する新しい手法の開発と検証に取り組みます。これらの研究は各大学の研究者・院生の交流をつうじて実施する予定です。
本研究をつうじて立命館大学が国際的な研究拠点として機能することで、産学連携もより活発になることが期待できます。また、大学院生のみならず、学部生も国際的な共同研究を身近に感じることで、スポーツ健康分野における研究開発がどのように基礎研究と応用研究をつなぎ、商品・サービスの開発に繋がるかを観察・体験できます。これらの経験をつうじて学生がより高いレベルでの問題発見・解決力を養うことが可能なると考えます。
―― パートナーシップについて
国内外の医薬品や食品メーカーと協働してサルコペニア予防・改善に向けた薬品や食品の開発をしたいと考えています。
―― 研究連携で大切にしていること
共同研究をする際にまず協働によるお互いのメリットとデメリットを明確にし、両者にメリットが得られる目標設定を協議することです。
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