荒井 秀典

RARAフェロー

超高齢社会におけるWell-being向上のための研究拠点形成

超高齢社会におけるWell-being向上のための研究拠点形成

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FELLOW PROFILE

1984年京都大学医学部卒業、1991年京都大学大学院博士課程修了。医学博士。
2009年京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授を経て、2015年国立研究開発法人国立長寿医療研究センター副院長、2018年同病院長、2019年より同理事長(現職)。
日本サルコペニア・フレイル学会代表理事、日本老年医学会副理事長 日本老年学会理事長 日本学術会議第25期 会員(第2部、臨床医学委員会)等を歴任。

専門は老年医学、フレイル、サルコペニア。

 

「高齢化先進国・日本」から、

高齢者のWell-beingとQOL向上のための知見を世界へ発信する

RARAでの活動においては、「デジタル技術を用いた産官学連携型フレイル予防プロジェクト 」、「 スティグマを有しやすい障害に対する社会的包摂のための手法開発(特に、認知症)」の2つの大きなテーマで、研究活動を進めていきたいと考えています。高齢者の日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命を延ばしていくために、 研究部門横断的な高齢者のWell-being向上のための研究拠点を形成するとともに、国内外のWell-being領域研究を牽引していきます。

 

日本では、従来の「治す医療」から「治し支える医療」へのパラダイムシフトが求められています。私は国立長寿医療研究センター理事長として、 認知症・フレイル等の老年症候群に対する先進的な医療モデルの提供、医療・保健・福祉の人材育成を推進してきました。未曾有の高齢化を経験する日本から、 健康寿命の延伸及びQOL向上のためエビデンスに基づく臨床知見、人材育成のフロントランナーとして後進を育てるため、これらのテーマを選択するに至りました。

 

RARAにおける研究ビジョンとして、以下の3つを掲げています。

1.高齢者のWell-being研究拠点を形成する。
2.デジタル技術を用いた産官学連携型フレイル予防を実現する。
3.スティグマを有しやすい障害に対する社会的包摂のための手法開発 高齢者のWell-beingをテーマとしたワークショップを学内で開催し、共同研究の企画立案とともに、デジタル技術を用いたフレイル、 サルコペニア予防に関するプロジェクト、産業界と連携し、地域において認知症などに関する社会啓発のためのプロジェクトを立ち上げる。

 

そのための5年間のロードマップとして、以下を描いています。

〇1年目:高齢者のWell-being研究拠点の形成のための基盤を形成する。デジタル技術を用いたフレイル、サルコペニア予防及び産業界と連携し、 地域において認知症などに関する社会啓発のためのプロジェクトを立ち上げるとともに人材育成を行う。

〇2年目:引き続き研究開発を継続し、社会実装を行う。

〇3年目:研究成果をまとめて論文発表する。

〇4年目:社会実装を進める。

〇5年目:最終的な成果のとりまとめを行う。

 

本研究は老年学であり、学際的なアプローチを要します。高齢者のWell-beingを実現させるためには、高齢者当事者、家族、地域住民への直接的なアプローチ、 政策や生活空間などを整備する間接的なアプローチが求められます。アプローチのエビデンスを創出する段階では、生物的・心理的・社会的側面からの効果検証が求められ、 医学(老年・精神・疫学)、保健学(老年・地域看護)、心理学、福祉学、社会学、死生学、政策科学、工学等、その連携先は多岐にわたると考えています。

 

―― パートナーシップについて
超少子高齢社会に生きる人々の心身、くらし、生活環境、社会の仕組みをよりよくする方法について、 以下の研究や開発に取り組みたい気概がある研究者、企業、行政や専門機関、NPO等との連携を希望しています。

特に以下のような方々とご一緒することが出来ればと考えています。

①根気よく課題探索を実施する方

②課題解決にむけた研究や技術開発を臨床現場と根気よく協働できる方

③人文社会的手法で、過去の課題解決方法を探索できる方

④人文社会的手法で、現状の課題分析や効果検証ができる方

 

―― 研究連携で大切にしていること
国内外の所属を問わず、以下を有し、大切にする人との協働を希望しています。

①実践的・実証的研究で社会変革を担いたい思う熱意

②自らの分野に固執せず、学際的なチームアプローチを厭わないマインド

③10年、20年、50年先の未来を創造する夢

④研究に参画する方々、協働するメンバーどうしの対話

⑤他分野・他職種の専門性を尊重する姿勢

最新の研究活動レポート

紹介写真

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