研究活動レポート / 末近 浩太
末近浩太フェローがアジア中東学会連合(AFMA)第15回大会に登壇しました
2024 / 12 / 09
2024 / 12 / 09
2024年12月7日〜8日、アジア中東学会連合(Asian Federation of Middle East Studies Associations; AFMA)の第15回大会が同志社大学で開催されました。AFMAは、日本、中国、韓国、モンゴルの4つの国の中東学会の連合体で、2年に1度大会を開催してきました。15回目となる今回は、日本の京都・同志社大学で開催され、世界各国から200名近い研究者や学生が参加しました。
末近浩太フェローは、大会実行委員会のメンバーを務めながら、1日目では基調講演を、2日目にはパネル報告を行いました。
基調講演では、 末近フェローは、“Connecting the Dots: New Initiatives for Middle Eastern ‘Area Studies 2.0’”というタイトルのもと、自身の研究史を振り返りながら、これからの中東地域研究のあり方に関する提言を行いました。特にこれまで四半世紀以上にわたって取り組んできた「歴史的シリア」における政治研究において、研究対象と方法論の2つを拡張させてきた試みを紹介した上で、より洗練された学際性を強みとする「地域研究2.0」の可能性を論じました。
*「歴史的シリア」とは、現在のシリア、レバノン、ヨルダン、パレスチナ/イスラエル、およびイラクとトルコの一部からなる一帯を指します。
一方、パネル報告は、“Reconsidering Regime Security in the Middle Eastern Monarchies and Republics”と題され、日本、台湾、韓国からの研究者5名がそれぞれ中東諸国の政治体制の頑健性について最新の研究成果を披露しました。末近フェローは、司会を務めるとともに、自身の報告“Electoral Fraud and Sectarian Oligarchy in Lebanon: Evidence from a Survey Experiment”において、レバノンの民主主義においてなぜ選挙不正が蔓延しているのか、その原因についてサーベイ実験の結果を用いながら論じました。