研究活動レポート / 末近 浩太

末近浩太フェローが韓国・ソウルで開催された世界政治学会(IPSA)の世界大会に登壇しました

2025 / 07 / 18

2025 / 07 / 18

2025年7月12日〜16日、世界政治学会(International Political Science Association, IPSA)の世界大会(The IPSA 28th World Congress of Political Science, “Resisting Autocratization in Polarized Societies”)が韓国・ソウルで開催されました。IPSAは、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の後援のもと、世界的な政治学の発展を主たる目的として1949年に設立された国際学会です。世界大会は隔年で開催されています。

 

末近浩太フェローは、1日目は、九州大学の山尾大教授とともに“Measuring Public Support for Armed Non-State Actors at War: A Comparative Study of the Cases of the ‘Axis of Resistance’”と題した研究報告を行いました。本報告では、イランに支援された民兵ネットワークである「抵抗の枢軸」への市民の支持の実態に迫りました。「抵抗の枢軸」を構成するハマース、ヒズブッラー、PMU、フーシー派が拠点を置く4つの国、すなわち、パレスチナ、レバノン、イラク、イエメンでサーベイ実験を実施した結果、それぞれの支持構造の違いが明らかにされました。

 

末近先生・IPSA

 

2日目は、“The Role of Religion in the Division and Integration of Societies and Movements in Conflict-Affected Areas”と題したパネルで討論者を務めました。本パネルでは、紛争を経験した中東諸国において、信仰や規範だけでなく組織や社会活動としても根付いてきた宗教の存在が、人々対立だけでなく和解や統合にも作用してきた現実が浮き彫りにされました。

 

3日目は、末近フェローが代表者を務める2つの国際共同研究プロジェクト*の国際的成果発信の一環として、“Building Social Resilience in Jordan: The Role of Formal and Informal Networks in Crisis Response”と題したパネル報告を組織・司会しました。カウンターパートのヨルダン大学とともに、総勢5人の研究分担者による報告が行われ、不安定な情勢のなかでも安定した国家運営を続けてきたヨルダンにおける「社会的レジリエンス」の実態に迫りました。

 

*科学研究費補助金・国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))「危機下の東アラブ諸国における社会的レジリエンスの実証研究:ヨルダンの事例から」、立命館大学国際共同研究促進プログラム「危機下パレスチナにおける社会的レジリエンスの実証研究:ヨルダンからのインフォーマルな資源配分」

 

末近先生・IPSA

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