峯元 高志

RARAフェロー

軽量でフレキシブルなペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて

軽量でフレキシブルなペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて

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FELLOW PROFILE

2001年立命館大学理工学研究科博士課程後期課程修了。博士(工学)。

デラウエア大学(アメリカ)エネルギー変換研究所のポスドク研究員、 立命館大学専門研究員、理工学部 講師、立命館グローバル・イノベーション研究機構 准教授等を経て、2015年より理工学部教授(現職)。

2019年スカラーズ株式会社(太陽光関連ビジネスのコンサルティング)を創業。

 

世界の脱炭素化に貢献する、ペロブスカイト太陽電池の実用化に挑戦する

太陽光発電は現在、メガソーラーと住宅屋根を中心に展開されています。重量の大きい結晶シリコン太陽電池が使用されているため設置場所が限られ、 耐荷重が十分でない工場屋根、電気自動車などのモビリティや、曲面設置には適していません。 本研究では、軽量・フレキシブルなペロブスカイト太陽電池の高効率化と高耐久化の両立に挑戦します。 太陽光発電の応用展開の拡大を実現し、世界の脱炭素化に貢献することを目指します。

 

太陽光発電は再生エネルギーの代表格であり、脱炭素電源として世界中から期待されています。 しかも、太陽光発電システムの設置は、他の発電方式と比べ容易であり、設置容量の大小で発電効率もほぼ変わりません。 つまり、日照さえあれば、面積が大きくなくとも発電効率良く設置できます。軽量かつフレキシブルなペロブスカイト太陽電池を実現し、 光が当たるところであればどこでも発電できる太陽電池を実現したいと思います。

 

ペロブスカイト太陽電池は、ラボレベルの小面積太陽電池セルで高効率化要素技術が検討されています。 初期効率は高いものの、まだ耐久性には改善の余地があります。本研究では、高効率と高耐久性を両立させる要素技術を開発するとともに、 ペロブスカイト太陽電池の劣化メカニズムを理論と実験の両面から詳細に検討することで解明し、寿命予測技術の確立を目指します。企業と連携し、 ペロブスカイト太陽電池モジュールの実用化に貢献します。

 

本研究は、脱炭素社会の実現に不可欠な再エネに関するもので、エネルギー分野に貢献できます。 受験生から選ばれ、保護者から信頼され、企業から求められる人材を輩出する次世代の大学にとって、 社会で必要とされる再エネ技術の開発と適用フィールド(キャンパスの脱炭素化)を有することは、魅力的です。 小・中・高校でSDGs教育が積極的に進められている中、大学において再エネ分野でSDGsを実践するのは社会的に意義があります。

 

―― パートナーシップについて
軽量・フレキシブルなペロブスカイト太陽電池は、耐荷重の十分でない屋根、電気自動車などのモビリティ、壁面、窓、曲面など、 太陽光発電の新たな応用展開を拡大できます。 太陽光発電と建造物の観点から建築分野の方々、発電・蓄電・モビリティの観点から化学・機械分野の方々、 そして太陽光発電をさらに普及させるための経済性・施策制度の観点から経済学者の方々とのパートナーシップが魅力的であると考えています。

 

―― 研究連携で大切にしていること
太陽光発電は生活の様々な場面に浸透していくことが期待されています。 これは、太陽光発電分野の研究者だけでは実現できず、建築・機械・化学・経済など様々な分野の方々との協働が必要です。 太陽電池というデバイスだけでなく、原材料採取、加工、製造、運用・保守、リユース、リサイクル、廃棄を含むライフサイクルを網羅的に設計する必要があります。 こういった観点から、分野の垣根を超えた、連携を大切にしたいと思います。

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