岡田 志麻

RARAフェロー

こころを動かすコミュニケーションロボットで目指す

ウルトラダイバーシティ社会

こころを動かすコミュニケーションロボットで目指す

ウルトラダイバーシティ社会

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FELLOW PROFILE

2000年、立命館大学理工学部卒業、 2002年同大学理工学研究科修了、 2009年に大阪大学大学院医学系研究科の後期博士課程修了。博士(保健学)。
三洋電機株式会社 研究員、日本学術振興会特別研究員(DC2)、立命館大学理工学部准教授を経て、2022年より同大学教授(現職)。専門は生体工学。

ロボットは、人と人のコミュニケーションを助ける「優しい世界」を作り出せるか?

こころの豊かさや個人が望む自己を実現するためには、他者との違いを理解したうえでポジティブな方へ向かうコミュニケーションをとる必要があります。 つまり、コミュニケーションにおける人のこころの状態を可視化し、その情報に基づいて他者や集団との関係を動的に変化させることが重要であるということです。

 

RARAにおける研究活動では、ひとや集団におけるこころのベクトルに着目し、これを可視化・変遷させるコミュニケーションロボットを開発することを目指しています。 このロボットを教育現場等で活用することにより、いじめ、無意味な抗争や分断、孤独や孤立を解消し、 共感や創造性豊かなコミュニケーションが創発される未来社会を実現したいと考えています。

 

親しい友人や家族でさえ、相手の気持ちがわからず、すれ違うことがあります。 コミュニケーションの困難な相手、例えば赤ちゃんの気持ちをどうすればわかるでしょうか?時間や機会があれば、話したり、観察したり、 お互いに確かめあうことで無意味な摩擦を回避できますが、時間的、社会的制約でそれが困難な場合が多くあります。 それをアシストする技術、人と人の間に立って、その間を埋める、緩衝材になる技術があれば、みんな「ちょっといい日常」を過ごすことができると考えています。

 

ウルトラダイバーシティ社会の実現を通じて、社会的価値として、無意味な人間関係による摩擦から解放され、時間的な余裕を持つことができ、学習意欲の向上や労働生産性向上への貢献が見込めると考えています。 人と機械を同一のシステムとして融合させる、人 – 機械融和技術によるコミュニケーション支援により、質の良い人間関係構築の機会が増加するはずです。 さらには、考え方、文化、性別、言語、宗教などの違いによる望まない人間関係の悪化や摩擦を意識することなく、ポジティブなコミュニケーションがとれるようになってほしいと願っています。

 

研究活動のロードマップとして、以下を描いています。

1. 日常生活下のフィジカル空間(学校や職場)、サイバー空間(SNSやオンライン会議)において収集される生体・環境情報により人間関係が可視化、数値的評価ができるようになる。
2. 個人や集団に対して注意・関心・興味を生じさせたり、その方向を変えたりすることができるようになる。
3. 上記1、2を搭載したコミュニケーションロボットを開発し、学校のクラスに試験導入し、実フィールドで個人や集団のコミュニケーション支援ができるようになる。

 

人のこころを可視化し、コミュニケーションロボットという緩衝材の存在によって集団や個人の関係性を変える技術です。 この技術が集団からさらに別の層まで拡張できれば、地域や国家などへ広く波及していきます。経済や宗教に縛られない新しい関係関係を築く起点になることで紛争解決や平和への技術貢献ができると考えています。

 

―― パートナーシップについて
性別、国籍、年代などの個人の属性にとらわれず同じビジョンをもって「優しい世界」を実現できる技術開発に取り組める人。 業績や実績は問わず、未来の社会を過ごす若者たちの意見をよく聞き、彼らが実現したい社会に向かって加速できるよう固定概念を捨てた 新しいアプローチで研究を一緒に推進してくれる人と、活動を共にすることが出来ればと考えています。

 

―― 研究連携で大切にしていること
それぞれの所属の国や機関、文化、専門分野を尊重しあいながら、ウルトラダイバーシティ社会というビジョン達成のために協力していきたいと思っています。 共同研究の結果が、それぞれの所属にあらたな知を生むような連携をしていきたいです。

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