惣田訓
RARAアソシエイトフェロー
微生物・植物機能を活用したアジア地域の水環境保全技術
SCROLL
立命館大学理工学部環境都市工学科教授。
1999年に大阪大学大学院工学研究科環境工学専攻で博士号(工学)を取得後、同大学工学研究科の助手(1999)、国際交流室兼任講師 (2005)、准教授 (2008)を経て2017年より現職。
生物学的に廃水処理する技術で、アジアの国々に持続可能な水環境をつくる
活性汚泥法や人工湿地など、微生物や植物を用いた生物学的廃水処理による有機物、窒素、金属類の除去を専門としています。ベトナムやインドの大学と交流し、現地の水環境問題のための適正技術を研究しています。
生物学的廃水処理技術は、自浄作用を利用することで薬品や電力の消費量が少なく、維持管理が容易であり、費用が抑えられる優位性があります。そのため、経済発展が目覚ましいアジア諸国でニーズが高い研究テーマであると言えます。
国際的なネットワークにおいて本学が知のNodesの役割を果たすため、アジア地域の国々とのパートナーシップの継続的な構築を環境技術の学術研究と社会実装を通じて目指すことを、RARAにおける研究活動の目標としています。
今後描いているロードマップですが、立命館大学アジア・日本研究推進プログラムの支援を受けて、ベトナムの農畜水産業を支える環境技術に関する研究をまずは進めていきます。中でも、インド工科大学ハイデラバード校PBLプログラムを担当し、交流を深めることを予定しています。また、琵琶湖・環境イノベーションセンターの副センター長として、学際融合研究の実践に向けた環境技術の戦略ビジョンをセミナー開催などを通じて示していきたいと考えています。
欧米に追随して発展しているアジアにおける環境問題への取り組みの成否は、ラテンアメリカやアフリカの将来にも影響を与えると考えており、より良い社会や地球の環境づくりに向けて、本研究が寄与できる分野だと思います。
―― パートナーシップについて
まずは、現在も交流のあるアジア地域のベトナム(Vietnam-Japan University, VJU)、インド(インド工科大学ハイデラバード校, IIT Hyderabad)、インドネシア(バンドン工科大学, ITB)、中国(北京工業大学, BUT)とのパートナーシップをさらに強めたいです。
―― 研究連携で大切にしていること
研究機関との連携においては、ベトナム、インド、インドネシア、中国の廃水を対象とすることで、その地域固有の産業や価値観を理解・尊重することを大切にしていきたいと思います。その上で、様々な研究機関やステークホルダーと協力しながらそれぞれに適した持続可能な処理技術を開発していきたいと思います。