Philip J. Atherton
RARAフェロー
Philip J. Atherton
RARAフェロー
生理的レジリエンス向上と代謝性疾患の緩和を促進し、健康寿命を延ばす
生理的レジリエンス向上と代謝性疾患の緩和を促進し、健康寿命を延ばす
SCROLL
2002年 理学士号 (1st class)、2005年 PhD、2007年 分子生理学のフェローシップを取得。2012年 ノッティンガム大学准教授、2016年教授(現職)。
臨床生理学、安定同位体トレーサー、オミックス解析、分子生物学を組み合わせて、加齢と疾患による健康低下のメカニズムと緩和手段の解明に取り組む。
細胞老化の解明と健康寿命の延長を目指す、新しいアンチエイジング研究
老化の分子メカニズムをより深く理解することを目指します。具体的には、抗老化薬が老化や運動/運動不足とどのように相互作用するかに着目します。安定同位体を用いたヒト/動物モデルとオミックス解析を組み合わせることで、自然老化や動物老化モデルのシナリオにおける細胞機能低下に対する様々な薬物(例:ラパミューン、ダサチニブ/ケルセチンおよびNAD+ドナー)の効果について、包括的な見解を得られると考えます。さらに、これらの薬物が、高脂肪食や加工食、運動不足など老化プロセスを加速させる生理学的な現象に与える影響や、運動がもたらす良い刺激との相互作用を明らかにすることを目指します。
アンチエイジングに関する基礎から応用までの包括的な橋渡し研究はほとんど前例がなく、科学の基礎研究 (立命館大学) 、臨床研究 (ノッティンガム大学) の両領域における我々のユニークな専門知識と、現在進行中の臨床試験により、アンチエイジングの研究をリードすること目指します。現在のバイオサイエンスの最大の課題である、「疾患特異性」を超えた世界的な細胞の老化現象を緩和するための研究において、橋渡し研究を迅速に実施できる研究体制がそれらの課題を解決します。
サルコペニアは医学的には認知されているものの、有効な治療法が十分に確立されていません。両大学の共同研究では、より一般的な臓器を介した老化の特徴にも関連する筋肉を介したソリューションを開拓することを目指します。このパートナーシップは、両大学の大学院生や若手研究者に、高度な橋渡し研究に触れる機会を提供し、彼らの学問的成長を豊かにし、この重要な分野の将来を強化します。我々は、基礎研究や臨床研究を通じて、研究成果をインパクトのある形で発信していきたいと考えます。
今後数年間、ヒトおよび動物モデルにおける 「アンチエイジング」 薬物相互作用を研究します。扱いやすい動物モデルを用いて、以下の研究を実施したいと考えます。
運動: 電気刺激を使用してレジスタンス運動を、トレッドミル運動で有酸素運動を模倣します。
運動不足: ギプス固定は特定の筋肉群を萎縮させ、後肢懸垂は下肢筋群全体の萎縮を誘発します。
老化モデル: モデルを老化させるか、早期老化モデルを適用します。
代謝・分子解析: 介入後、筋肉や主要臓器を解析します。質量分析機はオミックス解析とトレーサー解析の両方に使用されます。
この研究は、以下の分野において次世代の大学や社会に貢献できると考えます。
– 老化生物学の研究における新しい枠組みと多様なモデル (ヒト/動物) の提供。
– 将来の研究者が利用できる新規の安定同位体法の活用。
– 老化生物学において重要かつ新たな研究課題の創発。
– ヒトと動物モデルでの最先端の筋骨格研究と包括的な細胞生物学的アプローチをつうじた日本人研究者の教育。
老化とその影響はバイオサイエンスにおける最大の課題であり、本研究では疾患特異性を超えた研究を目指します。
―― パートナーシップについて
この研究は、橋渡し研究に関わる全領域の研究者、また製薬や栄養学分野の研究者からも関心を持たれることでしょう。したがって、新しいパートナーシップが形成され、既存のパートナーシップが強化されることを期待します。今後、研究のアウトプットとこのプロフィールページを通じて、この研究の認知度を高めたいと考えます。また、我々の研究と専門知識が日本で助成金獲得を促進すると期待しています。
―― 研究連携で大切にしていること
国内外の大学・研究機関と連携する際に、私が大事にしたいコアバリューは以下の通りです。
– 協力は相互的であり、関係するすべてのパートナーに利益をもたらすべきである。
– すべての関係者が研究の最高の成果を享受できるようにする。
– 協力のすべての分野で文化の違いを尊重する。
– 共同研究者との定期的な対話 (対面/オンライン) を維持する。
– 研究インテグリティを尊重する。
– 初期キャリアの研究者に最高の研究環境を提供する。
– 共同研究は、社会に役立つより大きな成功への出発点である。
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2024 / 07 / 30
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研究活動レポート / Philip J.Atherton
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