野間 春生

RARAアソシエイトフェロー

ヒトのような触覚を実現する仕組みの実現

ヒトのような触覚を実現する仕組みの実現

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FELLOW PROFILE

1994年筑波大学大学院 工学研究科 修了。博士(工学)。
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 研究員を経て、2013年より立命館大学 情報理工学部 教授(現職)。

人間の触覚を正確に再現することは可能だろうか?

ヒトの触覚は他の感覚以上に、ミステリアスな機能を有しています。触れるだけで対象物の質感や重さを感じ、触れることで対象物を器用かつ優しく操作し、対象物の形を変形することもできます。しかしその仕組みはほとんど解明されていません。本研究テーマでは、まずヒトのような仕組みを模擬する機械触覚システムを開発します。そして、ヒトの触覚と比べることで、ヒトの仕組みの解明に繋げます。

 

VRといえばHMDに代表されるような、仮想空間の中に入り込んで観たり聞いたりする体験を思い浮かべることが多いと思います。私は学生時代から特に触れるVRの研究に関わってきました。その研究の中で、ヒトの触覚に興味を持ち、これを機械装置で再現する方法をライフテーマとして据えています。研究テーマとして大きな魅力は、それを実現する手段が難しいこと、そして、世界でもまだ誰も成功していないことです。

 

昨今のスマートフォンには内蔵カメラで写ったモノを自動的に識別して各種のサービスを提供する機能は搭載されています。このComputer Visionと呼ばれる技術は、広く生活を向上させ為に導入されつつあります。この研究では、機械触覚であるComputer Haptics技術を創成し、この技術を日常生活の向上に資することを目指しています。たとえば生産の場の器用な産業用ロボット、家庭に導入される優しいヒューマンサポートロボットなどの実現に役立ちます。

 

触覚は指先でモノに触れたときに生じる高速な機械振動を感じる感覚です。そのため、そのセンサである触覚センサも高速に稼働する必要があります。そして、何を触っているのかを判断するAIも同様に高速である必要があります。そのためまずこのような高速な触覚システムのハードウェアで実現する必要があります。本研究ではFPGAという、中身を書き換えることできる電子回路を活用し、センサとAIを統合したシステムをまず開発します。

 

この研究はヒトのような触覚を実現することをめざしています。その様なシステムは、世の中のモノとモノが触れるあらゆる場面に応用できます。生産の現場ではロボットを器用にして、従来は人間でなければできなかった作業をロボットに置き換えます。ヒトに触れてヒトを支える仕組みは、従来大変難しく危険な作業でしたが、触覚を備えたロボットにはそれが可能です。つまり我々の日常生活の幸福に寄与できます。

 

―― パートナーシップについて

パートナーシップ先として、
・機械学習工学者(高速に複雑な機械学習処理を行う技術が必要なため)
・ロボット工学者(触覚センサの検知結果に応じてダイナミックに動けるロボットが必要なため)
・ロボットSier(実際のロボットのニーズを把握し、それに合わせた触覚付きロボットを開発して世の中に普及させるため)
を模索しています。

 

―― 研究連携で大切にしていること

協働する以上、Give & Takeであることを心がけたいと思っています。常に協力者のメリットを考え、そのメリットに資するための技術の開発を協働することが必要だと考えるからです。

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