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RARA Newsletter vol.12(転載) 世界が注目、気候変動と生物多様性の2大問題に統合評価モデルで立ち向かう──RARAフェロー・長谷川知子教授インタビュー
2025 / 02 / 07
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2025 / 02 / 07
RARA Newsletter vol.12
世界が注目、気候変動と生物多様性の2大問題に統合評価モデルで立ち向かう──RARAフェロー・長谷川知子教授インタビュー
(2025年1月に登録者にメールでお届けしたNewsletterを転載したものです。Newsletterへの配信登録はこちらから)
大寒に入り、寒さが身にしみるこの頃でございますが、いかがお過ごしでしょうか。
立命館先進研究アカデミー(RARA)より、2025年初となるNewsletter vol.12をお届けいたします。
「次世代研究大学」を掲げる立命館大学では、さらなる研究高度化を牽引する制度として2021年にRARAを設立。大学の中核を担う研究者たちを「RARAフェロー」に、RARAフェローへのステップアップに向けて実績を積み重ねる研究者たちを「RARAアソシエイトフェロー」に任命し、研究活動と成果発信を進めています。
3月12日開催 RARA主催シンポジウム、参加申し込み受付中
3月12日(水)にRARA主催のシンポジウムを開催します。テーマは「動的な知覚と行動とウェルビーイングの未来図」。ゲストとRARAフェロー・アソシエイトフェローが認知科学の最前線の研究動向を紹介し、最新のイシューを論じます。
立命館大学朱雀キャンパス(京都市中京区)でのオフライン開催及びZoom中継のハイブリッド形式で一般公開します。お申し込みはこちらから。詳しくは本Newsletter後半でご案内します。
気候変動緩和と生物多様性保全の両立に挑む、革新的な統合評価モデル
今回のNewsletterでは、RARAフェローの長谷川知子・総合科学技術研究機構教授のインタビューをお届けします。
長谷川フェローは、気候変動緩和と生物多様性保全という地球規模の課題に統合的に向き合う研究に取り組んでいます。
「統合評価モデル」を用いたアプローチは国内では唯一で、先駆的な手法として関心を集め、持続可能な社会や政策立案への貢献が期待されています。土地やエネルギー、経済、農業といった要素の相互作用を統合的に解析し、未来の食料需要や気候変動を中心とした地球環境問題にも対応できる社会像を目指しています。
「論文引用回数世界上位1%」他、受賞多数
長谷川フェローはクラリベイト・アナリティクス社による2024年度の「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2024)」に選出されました。世界の全論文のうち引用された回数が上位1%に入る論文を発表し、後続の研究に大きな影響を与えた研究者が選ばれるもので、長谷川フェローの選出は6年連続です。
長谷川フェローは他にも、輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)、文部科学大臣表彰若手研究者賞および科学技術分野科学技術賞(研究部門)、内閣府女性のチャレンジ賞 特別部門賞、京都府あけぼの賞を受賞。未来を切り拓き、影響力のある女性研究者として国内外で注目を集めています。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「第5回輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)」受賞
「統合評価モデル」とはどのようなモデルで、長谷川フェローの研究において一体どのような発見があったのでしょうか。よりよい社会や地球環境のため、日々どのような思いで研究や様々な活動に取り組んでいるのでしょうか。長谷川フェローに話を聞きました。
(以下、長谷川フェローの話からライターが構成しました)
研究者としての使命は、持続可能な社会の実現に向けて道筋を描くこと
学生のころから地球環境に興味があり、研究したいと思っていました。地球環境・気候変動を研究している先生・研究室を探し、自然とたどり着きました。大学院のころからずっと同じ志で取り組んでいます。
私の現在の研究テーマは、気候変動の緩和と生物多様性保全の相互作用を解明し、解決策を提示することです。
気候変動と生物多様性はそれぞれ国際的な目標として掲げられていますが、その達成には複雑な課題が絡み合っています。これらの問題は、土地や水といった資源を通じて密接に関連しており、解決策を検討するには、それらを統合的に考える必要があるのです。
食料生産についてもこれらの資源に大きく依存しています。私の研究では、さまざまな分野を横断しながら、こうした複雑な相互作用を考慮し、気候変動の緩和と生物多様性保全を同時に達成するための道筋を描くことを目指しています。
最終的には人類と地球の双方にとって、健康で持続可能な未来を実現するための具体的な対策を提案したいと考えています。地球環境問題は国際社会にとって重要な課題であり、その解決策の提示には大きな社会的意義があります。
持続可能な社会の実現に向けて、国際社会がどのような選択肢を持ち、どの方向に進むべきかを示すことは、私たち研究者の使命だと思っています。世界全体の最適解だけでなく、地域や国ごとに適した対策を明らかにすることも、今後の大きな課題の一つ。その解決に向けて尽力しています。
気候変動対策が意図せぬ形で飢餓リスクを増やす可能性を発見
私の研究の特徴は、「統合評価モデル」というシミュレーションモデルを活用している点です。このモデルは、様々な事象や対策の相互作用や影響を統合的に捉え、それを元に解決策を検討することを可能にします。このモデルを用いて気候変動、生物多様性、食料の分野を横断して応用している研究者は国内に他にいないと自負しています。
こちらの図は、気候変動対策の一環として注目されている、温室効果ガスを削減するとされる植林やバイオエネルギーと食料生産の関連を示す分析結果です。
立命館大学研究活動報『RADIANT』より抜粋
土地を利用して木を植えたり、作物を育ててそこに蓄えられた炭素を回収・固定したりすることで大気中のCO2などの温室効果ガスの排出を減らすだけでなく、吸収し、削減する気候変動対策が進んでいます。こういった技術は気候変動対策として、今世紀末に向けて重要な役割を果たすと考えられています。
一方で、大規模に植林を進めたりバイオエネルギー作物を栽培したりすることで、私たち人間が生きるための食料を生産する土地と「競合」してしまいます。この競合により食料生産が減少し、食料価格が上昇することで、人間の飢餓リスクが高まる可能性があります。この研究では、そのような気候変動対策が意図せず引き起こす悪影響について分析しています。
気候変動と気候変動対策による影響を見るための対照実験として、気候変動もなく特段の対策も取らないシナリオをシミュレーションします。それが上のグラフです。将来のことはわからないので、私たちの将来の人口や経済発展などの社会経済の状況について幅を持たせた想定をします。
例えば、SSP1は、経済発展が進み、人口増加が抑えられた、環境意識も高く調和のとれた比較的楽観的な社会を示しています。これに対してSSP3は、経済発展が遅れ、人口が大きく増加、地域が分断された悲観的なシナリオです。その間に位置するSSP2は、過去のトレンドをそのまま将来に延長したような中間的なシナリオです。
上部のグラフから、将来の人口増加や経済発展レベルなどの社会経済状況の違いがどのように飢餓リスクに影響するのかがわかり、悲観的な社会経済では楽観的な社会経済よりもずっと高い飢餓リスクが継続することがわかります。
一方、下部のグラフは、気候変動が進行した場合と気候変動対策を講じた場合、それぞれの影響を比較しています。気候変動が進むと作物の収量が減少し、1人あたりの食料消費カロリーが減り(右下のグラフ)、飢餓リスクが高まる様子(左下のグラフ)が示されています。この減少幅は、気候変動対策を講じた場合にさらに大きくなる可能性があります。その要因として、植林やバイオエネルギー作物の生産が優先されることにより、食料生産用地を奪うことが挙げられます。
もともと気候変動と食料の関係についての研究は、気候変動が作物の成長にどのような影響を与えるのかを評価するのが主流でしたが、私は気候変動対策そのものが土地利用や食料にどのような影響を与えるかに関心を持ちました。実際にシミュレーションを行い評価してみると、意図しない悪影響が見えてきたのです。特にバイオエネルギーを多く利用する場合に飢餓リスク人口が増加することが分かりました。
ネイチャー関連誌への掲載が転機に。試行錯誤と継続的な努力が結実
これが私の研究の大きな発見の一つであり、その結果を、気候変動関連のトピックを扱う『ネイチャー クライメートチェンジ(Nature Climate Change)』誌に発表できたことは、私の研究人生において重要な転機となりました。
当時私は他の研究機関の既存研究内容を一通り試し、それを超える新しい発見を目指していました。バイオエネルギーが注目されていたこともあり、食料生産との関係性を重点的に調べることにしました。シミュレーションの中で試行錯誤の結果、バイオエネルギーの利用が飢餓リスクを高めることを発見しました。発見を通じて、試行錯誤や継続的な努力の重要性を改めて実感しました。
この経験について、昨年の大学院入学式の講演でも学生たちに話し、「まずはトップレベルの土台に立つことが重要だ」と伝えました。新たな発見は容易ではない。まずは世界の同分野で積み重ねてきたことを一通り自ら試し、トップレベルの人たちと同じ土台に立ち、フロンティアが見え、そこで試行錯誤を重ねたところに、新しい発見は生まれるものだろうというメッセージを伝えたかったのです。
2024年4月、立命館大学大学院入学式で記念講演
数値で示した飢餓リスクのインパクトと、多方面からの反響
この分析結果を発表する以前は、「気候変動対策としてのバイオエネルギーや植林が食料生産と競合する可能性がある」という話は定性的には知られていました。しかし、私の研究ではシミュレーションを通じて、数値として飢餓リスクの具体的な規模を示しました。例えば、「飢餓人口が7800万人増加する可能性がある」という数値を出したことで、その影響の深刻さについて具体的なイメージにつながったのではないかと思います。
私たちのチームにとって、ネイチャーの姉妹誌で発表できたことは初めての経験であり、その反響に驚きました。2018年にこの研究を発表した際、国内外のメディアや記者から多くの取材があり、研究室に直接電話がかかってきたこともありました。
発表に際しては「気候変動対策をすべきではない」という誤解を生まないよう、慎重を期しました。論文中にも「気候変動対策自体は多くの分野に大きな便益をもたらすものであり、行うべきである」という点を明確に記載しました。さらに「気候変動対策がもたらす副次的な影響についても適切な対策を講じる必要がある」というメッセージを強調しました。
学際的な研究と統合的な政策で「すべてにとって良い社会」を
この研究は、単一の分野や目標だけでなく、複数分野の目標を同時に達成するためには学際的な研究が重要であると改めて強調するとともに、統合的な視点による政策の重要性を示唆するものでした。特に気候変動対策と食料問題の関係に焦点を当てながらも、多様な分野にとってウィン・ウィンとなる政策が求められることを強調しました。
まだ実社会や政策には十分に反映・実装されているとは言えません。近年、気候変動対策は進んできたものの、まだスタート段階であり、トレードオフを補完するような対策は導入されていない印象があります。
ただし研究としては、様々な分野を跨いで「すべてにとって良い社会」を示していく動きが主流になりつつあります。特に2010年代後半以降、気候、生態系、エネルギー、食料などを包括的に考える研究が増えてきたと感じています。このような研究は、気候変動対策を超える起爆剤の一つとして社会に影響を与えていくと考えています。
国・地域レベルの脱炭素化シナリオ開発へも寄与する研究を
一方で、これまでのグローバルモデル研究の役割としてはグローバルスケールで分析し、国際社会の道筋を示すだけでよかったのですが、さらに踏み込んだ動きが必要になってきていると感じています。
今は社会の動きも早く、世界の150以上の国がカーボンニュートラル目標を掲げ、各国の脱炭素化に向けて議論を進めています。そんな中、地域を集約した従来の分析では今後重要となってくるアジアやアフリカが大陸規模でまとめて扱われるなど地域ごとの特性を詳細に考慮されておらず、国・地域レベルの検討に十分な精度がないことが課題になっています。
そこで現在は地域レベルでの気候変動対策に関する研究をより深め、各国の政策にも反映されるような成果を目指しています。農業・土地利用分野の対策で重要となる食生活と対策技術、陸域環境についてなどの地域・部門を詳細に考慮し、各国の脱炭素化シナリオを開発することに取り組んでいます。
対策技術と陸域環境を詳細に描写する複数のモデルを開発・統合し、シミュレーションモデルが描く農業土地システムのリアリティを大幅に向上させ、国レベルの脱炭素化の設計に役立つ情報提供を行うことを目指しています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)に研究者として参加
直近の活動として、マレーシアで開催されたIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)第7次評価報告書のスコーピング会合に日本代表の一人として参加しました。IPCCは、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な知見を提供することを目的に定期的に報告書を発表しています。この会合では次期報告書の各作業部会の目次案を作成するもので、次の5年間の気候変動研究の方向性とも関わる重要な会議です。世界中から約240名の研究者が集まり、様々な意見を出し合いました。
日本からの出席者(長谷川フェローは右から4番目)
各研究者が自らの研究テーマを目次に反映させたいと考える中で、議論が白熱する場面も多々ありました。特に欧州の研究者を中心に、事前に戦略を練り、会合中も密に連携し共同で資料を準備するなど強力な連携体制で臨んでいるようでした。これを日本で実現するには、同じ研究コミュニティから世代を超えて継続的にIPCCへの参加者を輩出することに加え、報告書に盛り込むべき独創的かつ政策的に重要な一連の研究成果と、それを発信し、国際政策に貢献したいという熱意が必要であると感じました。
私は自分の専門や研究の観点から主張しつつ、他の意見も聞きながら、今後の日本と世界での気候変動研究で重要な項目がバランスよく取り入れられたアウトライン作成に努めました。会議だけでなく、休憩時間中の議論にも参加し、意見交換、他の参加者の真意の確認や、ネットワーク作りにも努めました。こうした活動を通じて、日本の研究者として一定の存在感を示すことができたと思います。
合意に至らない点について休憩時間に及んで議論する参加者
私の原動力の一つは、「悔しい思いをすること」と「乗り越えたときの達成感」かもしれません。国際会議や国際研究の場では、欧米の研究者たちが圧倒的な存在感を示すことが多く、その中で日本の研究者として意見を主張し、存在感を示すことの難しさを痛感します。この悔しさが、「さらに努力しよう」というモチベーションにつながりますし、それが実を結ぶと大きな喜びとなります。
また「研究を通じて社会に貢献したい」という思いも確かな原動力になっています。地球規模の課題に取り組む中で、具体的かつ実現可能な提案を通じて、少しでも社会を良くする手助けができればと考えています。また、素晴らしい女性研究者や、研究に限らず各分野で頑張っている女性の方にお会いすると、自分も頑張ろう、とエンパワーされますね。
地球環境統合シミュレーションモデルの開発を目指して
今世紀末には地球人口は100億人程度になると予想されています。100億人の食料需要を満たしながら、生物多様性の損失と気候変動の地球環境の2大問題をいずれも解決する将来像を提示するビジョンを描いています。
本研究では、人間社会・生態系・土地にかかわる複数分野のモデルを組み合わせ、地球の人間・社会経済的な側面と物理生物的な現象を一体的に扱う、地球環境統合シミュレーションモデルを開発します。これを用いることで、2大問題を解決する社会の絵姿と、そのとき地球環境はどのような状態になっているかという両方を矛盾なく示せるようになります。
このモデルの開発により、将来両分野を超え、より広範な地球環境問題の解決に役立つものと考えています。
RARAでの研究を通じて、地球環境や社会の課題解決につながる研究をさらに進めていきたいと思っています。また、RARAの強みである他分野の先生方との連携を強化し、さらに学際的な研究を推進していくことで、より現実に即した、実用的かつ多角的な解決策を提案できるようになると信じています。
研究者を目指す若い方々には、若いうちにやりたいことや面白いと思える研究に思いきり取り組んでもらいたいと思っています。失敗を恐れず、「他人と違うこと」や「新しいこと」を意識して、ぜひチャレンジしてほしいです。将来の自分のために、今、一生懸命取り組むことで道は開けると信じています。
【参加申し込み受付中】立命館創始155年・学園創立125周年記念
2024年度立命館先進研究アカデミー(RARA)主催シンポジウム
「動的な知覚・行動とウェルビーイングの未来図 ───『揺らぎ』の時代に認知科学が紐解く、心の姿」
アフターコロナの社会で、私たち人間のあり方や生活は劇的に変化しています。生成AIの急速な発展が、人間の認知や行動を大きく揺さぶり、新たな可能性と未来への課題を提示しています。社会が激変し価値観が揺らぐ現代において、私たちが人間らしさを失わず、ウェルビーイングを求めて、豊かな未来を描くヒントとは──。
人間の記憶や思考、意思決定、感情、ストレスなどを研究する認知科学は、人間の知能や学習プロセスを理解し科学的に分析する学問で、人間が自分自身や他者をより深く理解したいという根源的な関心からも注目が高まっています。心理学、神経科学、言語学、哲学などのさまざまな分野が交差する学際的な領域。私たちの生活や幸福感、ウェルビーイングに関わり、広く注目されています。
本シンポジウムではゲストとRARAフェロー/アソシエイトフェローが、認知科学の最前線の研究動向から質感認知、五感統合、行動の動因、認知の不定性を切り口に紹介し、私たちの知覚や行動がどのように現れ、どのような変動を含むのかを解説します。そしてこの揺らぎの中で、改めて心身のウェルビーイングがどのように形成され、未来社会にどのような影響を与えるのかを議論します。ぜひ奮ってご参加ください。
お申し込みはこちらから。
◆日時
3月12日 (水)9:30〜14:20
◆会場
立命館大学朱雀キャンパス5階ホール+zoomライブ配信
※オンライン配信は、zoomウェビナーを使用いたします。当日の視聴用URLはお申込後、改めてご登録のメールアドレス宛にご案内いたします。
◆参加費
無料・事前申込制(定員になり次第、申込受付を締め切ります)
◆定員
現地参加 400名/オンライン参加 500名
◆使用言語
日本語
◆情報保障
UDトークによる字幕配信を行います。日本語字幕、あるいは、Google翻訳による他言語字幕が必要な方は、チケット申込時に表示されるフォームでお知らせください。
◆申込締切
3月9日(日)23:59
◆登壇者プロフィール(敬称略)
西田 眞也 SHINYA NISHIDA(京都大学大学院情報学研究科 教授)
専門は感覚・認知情報学。心理物理学的アプローチで人間の運動知覚、質感知覚などの仕組みを研究。NTTコミュニケーション科学基礎研究所上席特別研究員等を経て2019年度より現職。科研費学術変革領域研究(A)「実世界の奥深い質感情報の分析と生成」領域代表。博士(文学)。
八十島 安伸 YASUNOBU YASOSHIMA(大阪大学大学院人間科学研究科 教授)
専門は行動神経科学。摂食行動における学習・記憶や情動、動機づけの脳・生理機構を分子・神経回路・行動などの多階層的視座から解析することで、人や動物の行動を司る生命機能の”精妙さ・美しさ”の解明に取り組んでいる。2017年度より現職。博士(人間科学)。
和田 有史 YUJI WADA(立命館大学RARAアソシエイトフェロー / 食マネジメント学部 教授)
専門は実験心理学。“食”をモチーフに多感覚知覚、消費者認知などの研究を行い、人の心のメカニズムの解明とその知見に基づく応用技術の開発を目指している。農研機構食品総合研究所主任研究員等を経て2017年度より現職。博士(心理学)。専門官能評価士。
布山 美慕 MIHO FUYAMA(立命館大学RARAアソシエイトフェロー / 文学部 准教授)
専門は認知科学。科学技術振興機構(JST)CREST研究課題「量子的認知状態の遷移とその効果:不定性の価値と制御」の研究代表として、本質的な定まらなさをもつ認知状態とその効果の研究を、主に文学や芸術の認知を対象としてすすめる。2016年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。2022年度より現職。博士(学術)。
モデレーター:定藤 規弘 NORIHIRO SADATO(立命館大学RARAフェロー / 総合科学技術研究機構 教授)
専門は画像診断学、システム脳科学。機能的MRIを用いて認知、記憶、思考、行動、情動、社会能力などに関連する脳活動計測を行っている。自然科学研究機構生理学研究所教授を経て2023年度より現職。博士(医学)。放射線科専門医。
グラフィックレコーダー:守隨 佑果 YUKA SHUZUI
幼稚園教諭、 絵本の出版社でのプロモーション、保育園運営会社の管理運営を経て、フリーランスに。2018年よりグラフィックレコーダーとして活動を開始。NewsPicksの水曜放送のライブ動画番組「WEEKLYOCHIAI」に出演他、 研修講師、ビジネススクールの運営、イラストや資料の制作などを行う。
◆〈同時開催〉RARA学生フェローによるポスターセッション
RARAでは、次世代研究者である博士後期課程の大学院生を「RARA学生フェロー」として採択し支援しています。休憩時間中に、2024年度修了予定の学生フェローらによるポスターセッションを行いますので、お気軽にお立ち寄りください(会場:5階大講義室前および1階多目的室1)。
◆問い合わせ先:
立命館大学研究部RARAオフィス rararits@st.ritsumei.ac.jp
(2025年1月31日配信)
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